Duke Nukem Forever とは...
Duke Nukem Forever とは FPS というジャンルのゲームで 3D Realms という会社で開発され、その後 Gearbox Software に開発が引き継がれました。1991 年に登場した初代 Duke Nukem からの非常に長いロングランシリーズで、約 15 年の開発のすえ発売された待望の最新作です。
発売後の評価は、当初は非常に低い評価が続きました。現在の Metascore は 55 点 と高い評価ではありません。ゲームとしては長年の期待を裏切る凡作であった感は否めません。しかし、実際には酷評されるほどの酷い品質ではありません。2011 年に発売されたゲームとして古さは拭えませんが、Duke Nukem らしいジョークは勢いを増して健在です。
シングルプレイはコンソール仕様の若干古臭いゲームですので、Duke Nukem 流のジョークを期待する人以外にはあまりお勧めできないかもしれません。マルチプレイは DM や CTB (CTF 派生モード) 等のクラシックなゲームモードのみです。クラシックなマルチプレイが好みの人にはお勧めです。
ゲームの入手
発売日は 2011 年 6 月 10 日 (北米は 2011 年 6 月 14 日) です。コンソール版は 2K Games 日本法人より発売予定で、日本語版 (日英音声同時収録) も発売予定です。ただし、発売日は現在未定です。
PC 版は Steamworks を採用しており、Steam の商品ページもあります。当初は地域規制が敷かれていました。しかし北米版発売後の 6 月 14 日以降はこれが解除されており、商品ページアクセス規制や VPN を使用しないと遊べないといった状況は解消されています。現在は日本国内から問題なく認証が通り、遊べるようです。ただし、Steam での販売価格は、北米価格に 10 USD 上乗せした価格での販売になっています。
デモ版
デモが一般公開となりました。Steam の商品ページよりダウンロードしてプレイ可能です。
First Access Club メンバーには、発売前の先行デモ版配布が行われました。しかし日本国内のメンバーには、依然デモコードの代わりに “Japanese demo codes will arrive at a later time.” のメッセージのみが表示されている現状です。
- Gearbox Forum での問い合わせの結果、日本国内での販売は “after June” を予定しており、規制は 2K Games の意向である事が伺える。
- 2K Games への問い合わせ結果、日本国内 FAC メンバーへのデモ配布が行われるのは依然不透明。
- チーとコード (
DNCLIP
,DNWEAPONS
) が使用可能で、DNCLIP
を使用して Holsom 姉妹に会いに行ける。
動作環境
- 初回起動時の Steam 認証が必要
- インストール対象
- ゲーム本体
- Steam クライアント
- DirectX
- Visual C++ 2005 ランタイム
- Visual C++ 2008 ランタイム
- AMD Dual Core Optimizer (AMD 製 CPU 使用時)
DLC やアンロック要素、オンラインコンテンツ等のフィーチャーは、シリアルコード登録、追加料金、アカウント登録 (13 歳以上) が必要な場合があります。特別なフィーチャーにアクセスするにはインターネット接続が必要な場合があります。また全てのユーザーに供給されない場合があります。
必須環境
- OS: Windows XP / Vista / 7
- CPU: Intel Core 2 Duo 2.0 GHz / AMD Athlon 64 X2 2.0 GHz
- メモリ: 1 GB
- ハードディスク: 10 GB の空き容量
- ビデオメモリ: 256 MB
- ビデオカード: nVIDIA GeForce 7600 / ATI Radeon HD 2600
- サウンドカード: DirectX 互換のもの
推奨環境
- OS: Windows XP / Vista / 7
- CPU: Intel Core 2 Duo 2.4 GHz / AMD Athlon 64 X2 2.6 GHz
- メモリ: 2 GB
- ハードディスク: 10 GB の空き容量
- ビデオメモリ: 512 MB
- ビデオカード: nVIDIA GeForce 8800 GTS / ATI Radeon HD 3850
- サウンドカード: DirectX 互換のもの
パッチ
パッチ #1
2011 年 8 月 3 日リリースのパッチ詳細:
- シングルプレイヤー用 4 武器所持のインベントリ・オプションを追加
- マルチプレイヤーサーバーにお気に入りを追加
- Dedicated サーバーのオーバーホール
- FOV 調整に対応
- VOIP を push-to-talk に変更 (帯域の修正)
- VAC アンチ・チートシステムを搭載
- 日本での PC 版リリース用に日本語 Steam ID へ対応
- Auto-aim の修正
- 発砲時の敵の流血エフェクトを追加
- Steam.exe の異常な CPU 使用率の修正
- テクスチャの質の向上
- シングル・マルチプレイのセーブデータ破損の修正
- リーダーボード・チートの修正
- AMD Dual-Core Optimizer が不要の場合でもインストールされる問題の修正
- クラッシュ・互換性に関する修正とその他マイナーバグの修正
DNF PC Patch Released! - Gearbox Software Forums
開発の歴史
ゲーム内で公開された略歴
- 1996 年 6 月、2D スクロールゲームとして Keith Schuer が手掛けていた Duke Nukem 4Ever が Duke Nukem 3D アドオンと続編を優先するため開発中断。
- 1996 年 6 月、GT Interactive が Duke Nukem Forever の販売を手掛ける契約を 3D Realms と締結。
- 1996 年 12 月、Build エンジンに代わる次世代エンジンとして、Quake 1 エンジンが Duke Nukem Forever の為 3D Realms によりライセンスされる。Duke Nukem シリーズを手掛ける Todd Replogle と Allen H. Blum 率いる Duke Nukem 3D チームが、ゲーム用テクノロジーの調査と開発を開始。
- 1997 年 4 月、Duke Nukem Forever が 3D Realms により 1998 年のリリースと正式発表。合わせて 3D Realms は Quake 2 エンジンの元での開発を正式発表。
- 1997 年 5 月、Gearbox Software 後の創立者、Randy Pitchford と Brian Martel は、3D Realms を退社し、Gearbox Software の前身 Rebel Boat Rocker での開発に従事。
- 1997 年 11 月、Duke Nukem Forever が PC Gamer 誌の表紙を飾る。同誌に掲載されたスクリーンショットがゲームの初お目見え。
- 1998 年 5 月、最初の Duke Nukem Forever のトレーラーが Electronic Entertainment Expo で公開。
- 1998 年 6 月、3D Realms は Duke Nukem Forever のエンジンを Unreal Engine に変更と発表。
- 1999 年 3 月、3D Realms は Megadeath が Duke Nukem Forever のテーマソングを担当すると発表。
- 1999 年 11 月、PC Gamer 誌の 'Miss Me?' カバーストーリーに、Duke Nukem Forever が掲載され、話題に。多数の新スクリーンショットと Duke Nukem Forever の新エンジンについて掲載。
- 1999 年 12 月、Duke Nukem Forever の販売元、GT Interactive は Infogames へ社名変更。販売権の移管。
- 2000 年 3 月、3D Realms を含む開発元で構成された販売元 Gathering of Developers は、Take-Two Interactive により子会社化。
- 2000 年 12 月、Gathering of Developers が期待作 Duke Nukem Forever の販売権を取得と発表。Take-Two Interactive も Duke Nukem Forever に関する全権利を取得。
- 2001 年 3 月、E3 にて、高評価を受けた Duke Nukem Forever 10 周年記念トレーラーが公開。ゲーム史に残るトレーラーとして語り継がれる。
- 2004 年 9 月、3D Realms はゲームの物理エンジンとして、Meqon Game Dynamics を Duke Nukem Forever に採用したと発表。
- 2006 年 8 月、Shacknews が 3D Realms の多数の社員が退社したという噂が事実であると報道。彼らの多くが同じ Dallas 近郊の Gearbox Software へ入社した。
- 2007 年 7 月、"Ventrilo Harassment" ネタに Duke Nukem の声が当てられオンラインゲームプレイヤーへ嫌がらせをする動画が YouTube にアップロードされ 600 万回を越える再生数を記録。
- 2007 年 12 月、Shacknews が 6 年越しの Duke Nukem Forever 初のティーザートレーラーを公開。ゲーム内容の断片が露呈。
- 2008 年 9 月、再リリースされた Duke Nukem 3D に Duke Nukem Forever スクリーンショットがアンロック要素として含まれていることをユーザーが発見。
- 2008 年 12 月、3D Realms からの最後の Duke Nukem Forever 公式スクリーンショットがコミュニティにリリース。
- 2009 年 5 月、3D Realms が Duke Nukem Forever 開発チームのレイオフを実施した話が明かされ世界中のゲームサイトでトップニュースとして報道。
- 2009 年 5 月、Take-Two Interactive と 3D Realms はゲームの販売と開発のビジネス協定の不一致に関して係争を開始。
- 2009 年 6 月、Gearbox と 3D Realms は Duke Nukem シリーズと Duke Nukem Forever の資産売却合意に向けた交渉を開始。ビジネス上の合意は約 6 ヶ月後に締結し Duke Nukem の権利は Gearbox Software へ移管。
- 2009 年 6 月、Triptych Games が 3D Realms の元社員数名と他数名から結成。
- 2009 年 7 月、Triptych Game と 3D Realms が Duke Nukem Forever シングルプレイヤーキャンペーン完成に向けた書面手続きを実施。
- 2009 年 8 月、Duke Nukem Forever ストーリーの脚本が Triptych で執筆され 3D Realms が承認。Triptych は Jon St. John -Duke Nukem を演じた有名な米国の声優- にビックリ電話: "地獄はとうとう結氷した。"
- 2009 年 11 月、Duke Nukem Forever のシングルプレイヤーモードが完成。
- 2009 年 12 月、Gearbox と 2K Games が Duke Nukem Forever の販売合意に向けた交渉を開始。ビジネス上の合意は約 6 ヶ月後に 2K Games と Take-Two Interactive と締結し、長期間の Duke Nukem 販売権を保証。
- 2010 年 6 月、Triptycg Games はシングルプレイヤーモード作成を終了し Gearbox Software との交渉を開始。
- 2010 年 2 月、Triptych は テキサス Bank of America のプラノにある Gearbox オフィスに移転し Gearbox と Piranha と共に Duke Nukem Forever のコンソール移植作業、マルチプレイヤーモードの追加、ゲームの最終調整に従事。
- 2010 年 5 月、Take-Two と 3D Realms は前年からの係争事項に関して和解。
- 2010 年 9 月、Gearbox と 2K Games は初のプレイアブルな Duke Nukem Forever を PAX 2010 に出品し公衆へのサプライズ実施。
- 2010 年 9 月、Gearbox Software は公式に Duke Nukem ブランドの取得を発表。
- 2010 年 10 月、2K Games と Gearbox Software は Borderlands Game of the Year Edition に Duke Nukem Forever First Access Club が付属すると発表、これは Duke Nukem Forever デモへいち早くアクセスできる権利と発表。
- 2010 年 12 月、Duke Nukem Forever は PC Gamer 誌の 'Miss Me?' に再登場。
- 2011 年 1 月、Gearbox Software は Duke Nukem Forever リリース日を 5 月 3 日と発表し、初の reveal トレーラーを公開。
- 2011 年 2 月、Duke Nukem そして Borderlands' Claptrap の助力の元、Academy of Interactive Arts and Science 2011 Interactive Achievement Awards in Las Vegas が開催。コメディアン Jay Mohr が主催するこのショーは、インターネットストリーミングと G4 TV を通して中継された。
- 2011 年 6 月、Gearbox Software と 2K Games は Duke Nukem Forever デモをリリース。
- 2011 年 6 月、Gearbox Software そして Triptych Games、Piranha Games、3D Realmsは、Duke Nukem Forever のゴールドマスターをリリース。Duke Nukem 3D の続編として開発が開始されてから 15 年の後、2K Games が Duke Nukem Forever を世界中の忍耐強く待ってくれたファンへ出荷を開始。
略歴
- 1997 年、3D Realms がディレクター George Broussard 氏の元、開発を開始。
- 1997 年 4 月、GT Interactive が販売元で、3D Realms より正式に開発発表。
- 1998 年 5 月、E3 にて Quake 2 エンジンを使った初のトレーラーが公開。
- 1998 年 6 月、Quake 2 エンジンから Unreal Engine への変更を発表。
- 1999 年、3D Realms が出資する Gathering of Developers が販売元に。
- 2000 年 12 月、Take-Two Interactive が販売権を獲得。
- 2001 年 5 月、3D Realms は発売時期の発表を求める声に対して “When it's done” トレーラーを E3 で公開。
- 2002 年、Take-Two Interactive がゲームエンジンと開発チーム変更を発表。
- 2003 年 5 月、Broussard 氏の “Take-Two needs to STFU imo” 発言で Take-Two Interactive との関係悪化。
- 2004 年、物理エンジンに Meqon Game Dynamics SDK の Karma を採用と発表。
- 2007 年、沈黙の後の新トレーラー公開。
- 2009 年、販売元の Take-Two Interactive は開発元の 3D Realms に対して、販売元の権利を主張し控訴。
- 2009 年 5 月、3D Realms は資金難により閉鎖。
- 2009 年 5 月、元社員の少数が Triptych Studios を設立し、彼らの家で開発を継続。
- 2009 年 5 月、かつての 3D Realms 同僚 Gearbox Software 共同設立者の Randy Pitchford 氏と Brian Martel 氏が Broussard 氏を含む 3D Realms の関係者に接触。
- 2009 年 6 月、Gearbox Software が Duke Nukem Forever のリソースと権利を引き取る。
- 2010 年 9 月 3 日、2K Games が Gearbox Software 開発の元、発売を正式に伝えた。
- 2011 年 1 月、発売日が 2011 年 5 月 3 日と正式発表 (北米は 5 月 6 日)。
- 2011 年 3 月、発売日の延期を発表。2011 年 6 月 10 日へ変更 (北米は 6 月 14 日)。
- 2011 年 5 月 17 日、First Access Club メンバー向けのデモ版リリース日が 2011 年 6 月 3 日に決定。
- 2011 年 5 月 25 日、Gold アナウンス。
- 2011 年 6 月 3 日、日本国内以外の First Access Club メンバー向けにデモ版がリリースされる。
- 2011 年 6 月 10 日、インターナショナル版リリース。
- 2011 年 6 月 14 日、北米版リリース。
- 2011 年 6 月 22 日、デモが一般公開。
- 2011 年 6 月 27 日、Aspyr Media より Mac OS X 移植版の 8 月リリースのアナウンス。
- 2011 年 7 月 1 日、Duke Nukem シリーズ 祝 20 周年。
- 2011 年 7 月 18 日、有志による日本語化 MOD がリリース。
- 2011 年 7 月 21 日、Take-Two Interactive Japan がコンソール向け日本語版の発売日を今夏発売から未定に変更。
- 2011 年 7 月 27 日、DLC 第 1 弾 Hail to the Icons Parody Pack を今秋リリースのアナウンス。
- 2011 年 8 月 3 日、PC 版パッチのリリース。
裏側
3D Realms の偉業
3D Realms の前身 Apogee Software は、あの id Software の販売元も勤めた経歴を持つ。またシェアウェア販売という方法を確立し、開発会社が販売会社に頼らずに利益を挙げる方策を確立した意味では、現在、Steam を運営する Valve の原型とも言えるだろう。また Duke Nukem 3D と同時開発されていた Blood を手がけたのも 3D Realms であり、これを完成させ、後に名高い開発会社となった Monolith Productions を生んだのも 3D Realms であると言える。他にも革新的な演出で有名になった Max Payne や今までには立体的な空間移動を可能にした Prey などを販売元として支援してきたのも 3D Realms である。
3D Realms なくして、PC ゲームの歴史は語れないのである。
3D Realms の後悔と理念
2011 年 4 月 20 日の D Magazine : Duke Nukem Forever: The Video Game That Wouldn't Die で、3D Realms の共同設立者にして Duke Nukem 3D のクリエイター Scott Miller 氏は、ゲームを完成させる事が出来なかったのは、チャレンジに拘り過ぎたからだと答えている。また、「我々はあるべき姿に会社を育てなかった。」と懺悔している。続けて記事は、同じく共同設立者にして今作のディレクターを務めた George Broussard 氏について、彼が完璧主義者で、技術の進歩に伴い常に最新で最高のツールを求め、ゲーム開発をフルスクラッチしたのが一度ではないとも述べている。3D Realms が閉鎖時に 30 人の社員しかいなかった事からも、名を挙げて尚、小さなソフトハウスの理想主義的経営を続けていた事が伺える。
Duke Nukem Forever へ注いだ情熱は Triptych Studios として現在、Gearbox Software 社内で息づいている。3D Realms の理念を引き継ぐ理想主義のソフトハウス Triptych Studios の今後の動向にも注目したい。
Gearbox Software の愛と決断力
Gearbox Software が Duke Nukem Forever のリソースを引き継いだ時点が、かなりの完成度であったようだ。同社はそのパーツパーツの取捨選択に経験からの自身を持っていた。 Brian Martel 氏は自社の Mike Wardwell 氏の決断力を高く評価している。Martel 氏は何を取り去って良いか、何が商品として不要かを「冷徹に判断し決断できる。」と Wardwell 氏を評している。
Gearbox Software のRandy Pitchford 氏と Brian Martel 氏が 3D Realms の開発者へ手を差し伸べたのは英断であった。理想を追いかけ、歴史に残る長い年月をかけてビッグタイトルの開発を続けていた 3D Realms の George Broussard 氏に歩み寄り、彼とその仲間たちが抱えていた大作へのプレッシャーを受け止め、vaperware として終わらせない方法を提示できたのも、彼らが信頼され、また彼らも Broussard 氏を始めとする 3D Realms を尊敬していたからだろう。
詳しい経緯
- D Magazine : Duke Nukem Forever: The Video Game That Wouldn't Die
- リリースが現実的になった今、改めて振り返る「Duke Nukem Forever」の壮絶な歴史 « doope! 国内外のゲーム情報総合サイト
- 4Gamer.net ― 「Duke Nukem Forever」を実際にプレイ。ラスベガスで行われたイベントで堂々の帰還を果たした,ゲーム史上最低かつ最強の男,デューク・ニューケムの近況をレポート(Duke Nukem Forever)
- 4Gamer.net ― Access Accepted第218回:さよならデューク ~ 長いような短いような「Duke Nukem Forever」の歴史
- Development history of Duke Nukem Forever - Wikipedia, the free encyclopedia