Duke Nukem 3D とは...
Duke Nukem 3D とは FPS というジャンルのゲームで 3D Realms という会社で開発され GT Interactive Software という現在の Atari, Inc. という会社より販売されました。1996 年 1 月 29 日 PC 向けに発売されました。このゲームは 3D Realms の前身 Apogee Software が開発・販売した Duke Nukem 及び Duke Nukem II の続編に当たります。
Duke Nukem 3D はマッチョな Duke Nukem (声優は Jon St. John という米国の声優兼歌手) というキャラクタが地球のエイリアン侵略を食い止めるという内容のゲームです。
Duke Nukem 3D が当時受けた評価は概ね好意的です。ゲーム世界へのインタラクティブ性とユーモアが評価されました。また商業的にも大成功した作品で、3500 万本の売り上げを達成しました。しかしエロチックな要素と性描写は物議を呼びました。
ゲームの入手
古い作品なので一般的な流通ルートでの購入は難しいようです。Duke Nukem 3D の最終版 Atomic Edition と、外伝の横スクロールアクション Manhattan Project、及び同じ Build エンジンのゲーム Blood と Redneck Rampage はダウンロード販売サイト GOG.com で DRM フリーの物が購入可能です。
- GOG.com
- Duke Nukem 3D: Atomic Edition - GOG.com 5.99 USD
- Duke Nukem: Manhattan Project - GOG.com 5.99 USD
- Blood (One Unit Whole Blood) - GOG.com 5.99 USD
- Redneck Rampage Collection - GOG.com 2.99 USD
ストーリー
今作の物語は前作 Duke Nukem II 直後より始まります。Duke が彼のスペースクルーザーで地球に帰還し、休暇を求め、目的地ロサンゼルスに向けて進みます。しかしそこで何者かの攻撃を受けてしまいます。船内で救難信号を送る中、彼はロサンゼルスがエイリアン侵攻を受けている事に気付きます。Duke のやる事はただ一つ、脱出ボタンを押し、ロサンゼルスをエイリアンの手から取り戻す事だけです。
エピソード 1 “L.A. Meltdown” はプロローグ直後のロサンゼルスです。Duke はストリップクラブでエイリアン一味 Pig-cop 達に捕らえられ投獄されてしまいますが、エイリアン支配下の刑務所を見事脱出します。そして地球侵略船をサンアンドレスまで追い詰めます。Duke はこの侵略船のボス Alien Battlelord を倒した後、捕らえられていた娘たちを救出し、船を爆破します。
エピソード 2 “Lunar Apocalypse” で Duke はたくさんの娘たちが捕らえられ、侵略された宇宙ステーション内でエイリアン共の手により、彼女たちが培養器にかけられている事を知ります。彼は再び宇宙へ。戦いの中で彼は月のエイリアンマザーシップに到達しボス Alien Overlord を倒します。マザーシップの探索の中で娘たちが捕らえられていたのが Duke を錯乱する罠であった事を知ります。既にエイリアンの地球総攻撃は始まっていたのです。
エピソード 3 “Shrapnel City” で Duke は再びロサンゼルスに降り、エイリアン軍の猛攻を受けます。しかし最後には危険なエイリアン共の総大将 Cycloid Emperor を討ち滅ぼします。最後は Duke をベッドに誘う女性とともにゲームが終わります。
物語は “Atomic Edition” へと続き、エピソード 4 “The Birth” でエイリアン共が娘たちをさらい、Queen を生み出そうとしている事が明らかになります。Queen は恐ろしい新敵 Alien drone を大量に生む危険な存在です。Duke は再び駆り出され、ロサンゼルスでエイリアンの大群と戦います。しかし最後はエイリアン Queen の塒を見つけ、見事打ち倒し、エイリアンの侵略は完全に失敗に終わりました。
PC 向け拡張パック
- Plutonium PAK/Atomic Edition: オリジナルの Duke Nukem 3D が発売された後、3D Realms 公式の追加エピソード “The Birth” が Plutonium PAK として、またこの追加エピソードを含む新パッケージとして Atomic Edition が 1996 年 11 月に発売されました。最終的な Duke Nukem 3D のバージョンはこの Atomic Edition を適用し、最後のパッチが適用された v1.5 になります。
- Duke Caribbean: Life's a Beach: サードパーティ製拡張パックとして Sunstorm Interactive により開発されました。南国風のレベルデザインとそれに合わせた幾つかのスキンの変更が行われています。この拡張パックで幾つかレベルデザインを担当した Charlie Wiederhold 氏は後に 3D Realms に雇われ、Duke Nukem Forever の開発に携わりました。
- Duke it out in D.C.: ワシントン D.C. を舞台に実在の大統領 ビルクリントンをエイリアンから Duke Nukem 救出するという内容の拡張パックです。実在の建物としてホワイトハウスやスミソニアン博物館などが舞台となっています。公式拡張パックではないものの 3D Realms 発売の Duke Nukem: Kill-A-Ton Collection に収録されました。
- Duke: Nuclear Winter/Duke Nukem: Nuclear Winter
- Duke Xtreme
- Duke!Zone
- Duke!Zone II
- Duke Assault
ゲームエンジン
- Build エンジン: 3D Realms の Ken Silverman 氏によって作られた FPS 用ゲームエンジン。当時の比較対象としては id Software の Doom エンジンが挙げられる。セクターと呼ばれる 2 次元グリッドの形成や、スプライトと呼ばれる平面オブジェクトは、Doom エンジンと同じ疑似 3D (2.5D) エンジンである。
オープンソースプロジェクト
1997 年の Doom ソースコード公開を受け、ゲーマー達の間で同類のゲームである Duke Nukem 3D のソースコード公開への期待が高まった。しかし 3D Realms がソースコードを公開したのは 2003 年 4 月 1 日の事であった。エイプリルフールの公開であったので、混乱も大きく、また待たされた分反響も大きかった。現在、ソースコードは 3D Realms の FTP サーバからダウンロードできる。 GPL ライセンスの元オープンソース化され、クロスプラットフォーム化された今、MS-DOS 向けのゲームであった Duke Nukem 3D は、特別な環境がなくても、Windows、Linux、Mac OS X 等で遊ぶ事ができるようになっている。またオープンソースプロジェクトの開発は今も活発に続いている。
- LameDuke: 開発初期のベータ版 Duke Nukem 3D を 3D Realms が公開したもの。一切のサポートはないが 3D Realms の FTP サーバで公開されている。 製品版とは違う 4 つのエピソードを含み、製品版には含まれない武器が登場するようだ。
- EDuke: Final Doom の TNT エピソード等を手がけた TeamTNT による Duke Nukem 3D のソースコードを使用したゲーム WWII GI が 1999 年にリリースされた後、そのプログラマーであった Matthew Saettler 氏は Duke Nukem 3D のプレイアビリティ向上の為のプログラム改変を申し出た。この結果として EDuke は Atomic Edition のパッチとして 2000 年 6 月 28 日にリリースされた。しかしその後の開発はキャンセルされた。
- JFDuke3D: Jonathon Fowler 氏の JFDuke3D はソースコード公開以前から Duke Nukem 3D を近代的なプラットフォームで動かそうとするプロジェクトで、後に Build エンジンのプログラマー Ken Silverman 氏の協力で OpenGL 対応による 3D ハードウェアアクセレーションや 3D モデル及び高解像度テクスチャへの対応が実現された。
- EDuke32: デファクトスタンダードとなったポートエンジン。JFDuke3D で実現した数々の拡張性を継承しつつ、Shader model 3.0 への対応やネイティブ 64-bit Linux に対応するなど、非常に優れたエンジンとなっている。
- High Resolution Pack: HRP の略称で親しまれる Duke Nukem 3D を現在ゲーム品質に引き上げるプロジェクト。前述の EDuke32 向けにオリジナルの 4 倍の解像度にあたる 32-bit 高解像度テクスチャと 3D モデル、リサンプリングされたサウンドトラック等が提供される。
関連作品
- Blood: 3D Realms と Monolith Productions 開発の FPS ゲーム。Duke Nukem 3D で使用された Build エンジンを Ken Silverman 氏が改良したものの上で開発された。開発自体は Duke Nukem 3D と並行して行われていたが、Shadow Warrior 開発への集中のため、Monolith Productions に全権利が売り払われた。発売は 1997 年 1 月 22 日。カルトチックで血みどろな世界観は Monolith の原点と言える。Duke3D と同じくファンガ多い作品。
- Shadow Warrior: 3D Realms が Duke Nukem 3D の翌年 1997 年 5 月 13 日に発売した FPS ゲーム。同じく Build エンジン上で開発されたゲームで、開発自体は Duke Nukem 3D と並行して行われていた。西の Duke Nukem 東の Shadow Warrior と題されるように、Shadow Warrrior の舞台は極東、日本が舞台である。そのおかしな日本解釈は話題となった。
- Duke Nukem 3D: Reloaded: 2010 年 10 月 13 日に発表された “Duke Nukem Next-Gen” として知られていたゲームで、現在開発中の、公式なファンプロジェクトの FPS ゲームである。制作者 Frederik Schreiber 氏は Duke Nukem の “personal non-commercial license” を正式に授与されている。 Unreal Engine 3 上で開発されているようだ。